HSCが不登校を乗り越える方法

HSP/HSC不登校

HSCとは?

HSCは「Highly Sensitive Child」の略です。
5人に一人がひといちばい敏感な子ども「HSC」と言われています。
環境からの影響の受けやすさには個人差がありますが、HSCはこの「環境感受性」が高い子どものことを指しています。

環境感受性は、ポジティブなものもネガティブなものも含めた、周囲の環境に対する処理や知覚の個人差として定義される概念です。
具体的には以下のような特徴がみられます。

深く考える 「D : Depth Processing」

物事を深く考える傾向があります。
表面的な情報だけでなく、その背景や意味、将来的な影響まで深く掘り下げて思考します。
そのため、熟考を重ね、慎重に判断を下すことが多いです。
しかし、裏を返せば、決断に時間がかかったり、考えすぎて行動に移せなかったりすることもあります。
1を聞いて、10のことを想像し考えることができます。

過剰に刺激を受けやすい 「O : Overstimulation」

五感からの刺激や情報に対して非常に敏感です。
音、光、匂い、肌触りといった物理的な刺激、人の感情や場の雰囲気といった非物理的な刺激にも強く反応します。
そのため、人混みや騒がしい場所、強い光が当たる場所などでは、すぐに疲れてしまい、ストレスを感じやすい傾向があります。

共感力が高く感情の反応が強い 「E : Emotional response and empathy」

感情の起伏が大きく、喜びや悲しみを深く感じます。
また、他者の感情を自分のことのように感じ取る「共感性」が非常に高いという特徴があります。
相手が怒っていたり悲しんでいたりすると、その感情が自分にも伝染したように感じ、苦しくなることも少なくありません。
これは、人間関係において深い絆を築ける長所である一方で、他者の感情に振り回されてしまい、疲弊しやすいという側面も持ち合わせています。

ささいな刺激を察知する 「S : Sensitivity to Subtleties」

非HSPの人が見過ごしてしまうような些細な変化や情報にもよく気づきます。
例えば、部屋のわずかな変化、人の声のトーンの変化、相手の表情の微細な動きなど、細部にまで意識が向きます。
この特性は、クリエイティブな仕事や細やかな配慮が必要な場面で強みを発揮しますが、同時に、些細なことにも気づきすぎてしまい、完璧を求めすぎたり、周りの評価を気にしすぎたりすることにもつながります。

上記の特徴は、英語の頭文字をとって「DOED(ダズ)」といわれています。
HSCはどれか1つに該当するのではなく、これら4つすべての側面があるとされています。
これは医学的な診断名ではなく、生まれ持った気質です。

HSPチェックリスト

「なんだか周りの子と違うかも」「うちの子、ちょっと生きづらそう」と感じたら、以下のセルフチェックを試してみましょう。
※対象は4歳頃から小学校中学年(10歳頃)までです。

  1. 発泡スチロールの擦れる音を嫌がる
  2. 驚いたときのリアクションが大きい
  3. 人に優しい
  4. 親の気持ちを先読みする
  5. 学校・園から帰ると一人でいたがる
  6. 独特のユーモアがある
  7. 感動したときの顔を(大人が)思い浮かべられる
  8. 周囲や他人の変化にすぐ気づく
  9. 嬉しいことがあると寝つけない
  10. 答えるのに困るような根本的な質問をしてくる
  11. 無邪気に何でも言わない
  12. 他人の表情に敏感
  13. 一人で静かに集中して遊ぶ
  14. 騒がしいと不快そうにする
  15. 怖がり
  16. 年齢以上に語彙が豊か
  17. 服の素材に強い好き嫌いがある
  18. 新しい集団に入ることに不安を抱えがち
  19. 空腹になるとすぐ食べたがる
  20. 目立つ行動に積極的ではない

上記のチェックリストで12項目以上当てはまった場合、HSCである可能性があります。
もしくは当てはまる項目が少ない場合でも、非常に強く当てはまると感じた場合、HSCの可能性が高まります。
HSPは精神障害では無いため、あくまでも精神的に繊細で傷つきやすい要素を持っているだけです。
お子さまの心境を知るための手段としてご確認ください。
大事なのは、子どもがどのような気質を持っているか、困ったことにはどのように対処するべきかを知ることです。

HSCの長所と短所

HSCであることが原因で不登校になっていると、短所ばかり目につくかもしれません。
生きづらさを感じることが多いですが、長所はたくさんあります。

長所

気配り上手

相手が何を考えているか察知できるため、求められていることを理解し、細やかな気配りができる子か多いです。
人に迷惑をかけたくないという思いが強く、思いやりの心を持っています。

人の気持ちに共感できる

他人の気持ちに共感できるため、悲しみや喜びをまるで自分のことのように感じ、人に寄り添うことができます。
周囲の空気を瞬時に察することができ、映画や本、動物などに対してもひといちばい感情移入します。

ミスが少ない

行動する前に可能性や結果を深く考えるため、学校や日常生活において軽率なミスが少ないという傾向にあります。
基本的に完璧主義で責任感が強く、「失敗したくない」「誰かに迷惑をかけたくない」という気持ちがあるので注意深く行動します。
時間がかかっても入念に根気強く取り組み、配慮が行き届いた丁寧な作業をします。

危機管理能力が高い

直観が鋭いため細やかな変化に気づきやすく、危険を避けることが得意です。
他人が気づかないような小さなサインを察知し、未然にトラブルを防ぐ力を持っています。
また、ルールを守る意識が高く、危険な場所には近づきません。
危険な世界から自分を守るための特別な力と言えます。

短所

疲れやすい

周囲からの刺激をひといちばい強く受け取るため、心身ともに疲れやすいのが特徴です。
また、音や光などの感覚刺激を無意識にキャッチし、その処理にエネルギーを使います。
完璧主義のため自分に厳しく、うまくいかなかったことはなんでも自分に原因があると思い込んでしまう傾向にあります。
そのため「自分はダメだ」と否定し、他人と比較して悩み、心が消耗してしまうこともあります。

繊細すぎる

些細なことでも深く傷ついたり、ストレスをため込みやすいです。
友達に言われたことが頭から離れず、冗談で言われたことにも深く傷ついてしまいます。
なんでも真正面から受け止めてしまい、思い詰めてしまうことがあります。
人とのコミュニケーションにストレスを感じやすいため、学校での集団生活が負担になることもあります。
他の子が怒られているのを見ただけで泣いてしまうなど、叱責に対しては過剰に反応してしまうため、それがトラウマのようになり嫌な思いとして蓄積されていくこともあります。

環境の変化にストレスを感じやすい

新しい先生や新しいクラス、席替えや引っ越しなど、環境が変わったときに慣れるまで時間がかかる傾向があります。
変化の多い学校生活は心の負担が大きく、進級や新学期のタイミングですごく疲弊してしまう子もいます。
湿度やにおいの変化などもひといちばい鋭く察するため、強いストレスや不安を感じやすいです。
そのようなストレスが体調にもあらわれ、頭痛や腹痛などが起きる場合もあります。

短所は見方を変えれば、すべて長所にもなりえます。
HSPには、刺激に弱くストレスがたまりやすい一面がありますが、裏を返せば、それだけ他者からの刺激を細かく捉える能力に恵まれているとも言えます。
小さな幸せに気づきやすく、また時間がたってからでも再度出来事を思い出して幸せな気持ちになれます。
道端に咲く花を見て奇麗だなと感じ、店員さんが笑顔で挨拶をしてくれると嬉しくなり、幸せそうな家族を見て心が温まるのがHSCです。

HSCの個性やそのほかの性格も含めた「自分の個性」を知り、活かすことができれば、もっと生きやすくなるはずです。
短所ばかりに目が行くような環境にいると、長所に目を向けにくくなってしまいます。
少しずつで大丈夫ですので、長所に目を向ける余裕が生まれるような環境を作っていきましょう。

HSCが不登校になりやすい理由

学校生活で刺激を受けすぎる

さまざまなタイプの子どもたちが集まる学校では、HSCにとって刺激が多く、ストレスを感じやすい環境です。
うちのHSCは、チャイムの音や他の子どもたちの大きな声に恐怖すら感じていました。
机や椅子を動かす音を過剰にうるさく感じ、先生が怒っているのを見ると自分に関係なくても泣き出していました。
些細なことも刺激になり、「明日もあそこに行かなければいけないのか・・・」とストレスが少しずつ大きくなってきてしまいます。

集団行動が苦手

学校では同じペースで集団生活を求められるので、じっくり丁寧に生活したいHSCにとっては非常にやりづらい環境です。
休み時間中にトイレを済まさなければいけないとか、次の授業の準備をしなければいけないとか、そうしているうちに友達に話しかけられたりと、考えることが多すぎて疲弊してしまいます。
HSCにとっては気質に合わないとこを強いられ、自分のペースで行動できない場所であることが多く、このような精神的負担に耐えられなくなって不登校になってしまう子もいます。

また、人に気を遣いすぎる傾向にあるため、クラスメイトや先生とのコミュニケーションに気疲れすることも多いです。
「きちんと返事できたかな」
「変な反応してしまってないかな」
「あの子元気ないけどどうしたのかな話しかけた方がいいかな」
「みんな静かにして・・・先生に怒られるよ・・・」
など、人とのやりとりや周りの動きに、さまざまな心配事が浮かんできてしまい、思考が忙しく疲れてしまいます。

慎重すぎる

HSCは少しの情報から多くを察したり、場の空気を敏感にキャッチしたりする能力に長けています。
同時に何事も深く考えてすぎてしまうため、間違いを恐れて慎重になりやすい側面があります。
「石橋を叩いて渡る」のではなく、「石橋を叩きすぎて渡れない」という慎重派です。
物事を深く考えて、不測の事態を予想しまくります。
パターンがA・B・Cと出てきて、それに対応した答えを見つけても、「じゃあDだった場合は!?」といった具合に続きます。
そうやって考えすぎていると動けなくなってしまい、周囲の人に「考えすぎだよ」とか「そんなことまだ言ってるの?」と言われて落ち込んでしまうこともあります。
考えすぎてしまい決められないこともしばしばあります。
選択肢が膨大に広がっていき、それを決めることで周りの人が困らないかとまで考えます。

うちのHSCも、ジュースどっちがいい?と2択にした場合、すごーく悩んだ挙句「どっちでもいい」という返事になってしまいます。
「こっちを選んだらかーちゃん嫌かな」とか「こっち飲んじゃったら少なくなって困るかな」とか「あとでにした方がいいのかな」と、自分では永遠に決められません。
人生にものすごい大きな影響を与えるかも・・・くらいの勢いで悩みだします。

周囲の注目を浴びる

運動会や発表会などで周囲からの注目を受け、緊張してしまうことで本来の実力が発揮できないことがあります。
授業中の発表なども同様に緊張します。
周りからのプレッシャーを強く感じ、失敗した際にひどく落ち込んだ経験が不登校につながることもあります。
注目を浴びるという点で、うちのHSCは給食の時間が憂鬱と言っていました。
人が食べているところを見るのも、自分が食べているところを見られるのも極端に嫌がり、特に班ごとに机を合わせて給食を食べるときは苦痛だったようです。
このような苦痛が毎日続くと、おなかが痛くなったり頭痛がしたり、体調にも影響してきます。

HSCにとっては、こういった学校生活で小さなストレスが何年も積み重なり、いつの間にか心のキャパシティが埋まって不登校になってしまう場合があります。
感受性が強いため、親が何気なく言った一言に傷ついてしまうことも少なくありません。
ですが適切なサポートがあれば、不登校になったとしてもまた学校へ行くようになります。

HSCが不登校を乗り越えるには?

HSCについて知る

まずは保護者がHSCについて正しく知ることが大切です。
「もしかしてHSCかな」と思ったら、調べたり本を購入するなどして理解を深めましょう。
そして本人ともHSCについてたくさん話をしてみてください。
HSCはネガティブなものと捉えられがちですが、「よく気が付く」「共感性が高い」などポジティブな側面もたくさん持っています。
ありのままの子どもを理解できれば、その子に合った対応の仕方が見えてくるでしょう。

学校を強要しない

学校を無理強いすると、トラウマになってしまうかもしれません。
学校にいけないことは本人の意思ではなく、敏感な気質による環境への耐えがたさから生じています。
「あんなつらいところでさらに我慢し続けなければならないんだ」というメッセージを受け取ってしまい、さらに辛い気持ちになります。
強要は逆効果になることがあるので、子どものペースと気質を理解し、安心できる環境を与えることが大事です。

まずは学校に行きたくない理由を聞き、「どんなときに嫌だなって思う?」など具体的な場面を聞いてみてください。
嫌なことを言葉にするのも大切ですし、苦手なことが見えてくるかもしれません。
「え、そんなことで?」と思うこともあるかもしれませんが、子どもの感受性を否定しないように話を聞くことを大事にしてあげてください。

子供に自信をつける

HSCの場合、視覚や聴覚、記憶などの感覚系感受性が敏感なため、ネガティブな感情が記憶に強く残ります。
例えば相手の怒っている表情をずっと覚えていたり、怒られて悲しかった気持ちがずっと感情の記憶として残りやすいからです。
このような感情をいつまでも強く記憶することで、ネガティブな思考を作りやすくなり、「自分はいつも怒られる」「自分はダメなんだ」と、ありのままの自分に自信が持てなくなってしまうのです。

また、周りが求めていること、期待していることに過敏なため、完璧主義になりやすい傾向があります。
「完璧にできないこと=ダメ」と認識してしまうのです。
ですので、頑張っている過程を肯定することが大切です。
なにかをやり始めたらすぐに
「お、宿題机に出したんだ!」
「もう座ってるんだ」
「起きたね!おはよう!」
など行動を肯定していきます。
するとモチベーションが上がり、行動を続けることができます。

そして次に、「完璧にできたね」ではなく「〇〇してるんだね」と頑張っている過程や、子どものやっていることを言葉にし、笑顔で肯定します。
自分のことを見ていてくれるとわかると安心し、「これでいいんだ!」と自信を育むことができます。

自己否定が止まらないほど自信をなくしている子供にも、肯定の言葉をシャワーのように浴びせてあげれば、必ず効果があらわれます。
「自分は自分のままでいい」と信じられる自己肯定感が高まると、「やってみよう!」と自分から動き出す力が生まれてきます。

厳しく叱らない

感受性が高いということは、必要以上に大きな声や強い口調は相当な恐怖になる可能性があります。
叱る必要がある場合は、大声を出さずにお互い落ち着いている状態で話をすること、理由を言うこと、なぜしたのかを聞くなどの丁寧なやりとりをしていくことが重要です。
HSCは自分に自信がないことが多く、他人からの評価が怖いため、注意されただけでもかなり引きずります。
叱られた、怒られたことが頭から離れず、「また同じ失敗をしないか」「自分はダメな人間だ」と自己嫌悪に陥ります。

一度引きずると切り替えもなかなか難しく、ネガティブな思考を頭の中でぐるぐると何回も再生しがちです。
こうなると新しい挑戦ができず、好転させることも難しいため、どんどん苦しくなっていきます。
大きな声で怒ったりした場合、恐怖が勝ってしまい、自分の意見も言えないまま従い、ただ深く傷つくだけです。
イライラの感情を乗せないように、落ち着いて話し合うことで、HSCの心にも話の内容がスッと入っていきます。

学校や外部機関と連携をとる

HSCの不登校は、環境や音、人間関係への敏感さが原因です。
学校との連携では、具体的に苦手な刺激や配慮する点を情報共有し、「安心して過ごせる環境」を整えることが重要です。
「明るい照明が苦手」「騒がしい場所で頭痛がする」など、どの刺激が負担になっているのか具体的に伝えましょう。
教室外の静かな場所(図書室、保健室、別室)での授業参加を可能にしてもらえるよう、環境調整を促してみましょう。
苦手な授業への工夫や、行事の参加に関する配慮も依頼してみましょう。

うちのHSCは保健室登校や別室登校していました。
一番マシだった場所は校長室で、チャイムの音が小さくとても静かなうえ、そのときの校長先生が声掛け等抜群でした。

また、担任の先生やスクールカウンセラーとは、限界が来る前にSOSを出せる関係を築いておくことも大事です。
一番大事なのは、「学校に行かなくても大丈夫」という安心感を与え、心身の休息を優先することです。
無理な登校を強制せず、子どものペースに合わせて、学校・過程で環境を整えていくことが、不登校解消の近道となります。

「いつでも味方だよ」と安心感を与える声掛けをする

HSCにとって学校は疲れてしんどい場所になってしまう可能性があります。
それを誰にも理解してもらえないと孤独を感じます。
家族と過ごす空間は、気持ちが安らぐ場所にしてあげる必要があります。
家が落ち着いて楽しくいられる安全地帯であれば、頑張る力が湧いてきます。
不安を抱えている子どもにとって、味方である親の存在はとても大切です。
家族はどんな時も味方であることを、言葉や行動でたくさん伝えてあげてください。

ありのままの子どもを認め、ほめてあげる

HSCは注意されると委縮してしまって次の行動に移れなくなる傾向にあります。
ですので、自発的行動力が失われないように「褒める」ことを大切にしましょう。
チャレンジをして失敗したなら、そのチャレンジした行動をほめてあげます。
周りの子どもと比べてできていないとしても、まずはできている部分をほめてあげます。
すぐに結果が出なくても周りと比べず、本人のペースと環境を大切にすることです。
できている結果や過程を認め、ほめてあげることで、得意な部分や長所への自覚を促します。
ポイントはプロセスと努力を具体的にほめること。
「100点取ってすごい」よりも「毎日コツコツ勉強したのがえらかったね」と、結果に至るまでの過程を具体的に言葉にします。
行動の最後よりも、取り掛かった瞬間や途中の頑張りをこまめに認めると、やる気が育ちます。
注意点として、あまりにも大げさなほめ言葉は控えましょう。
鋭い感受性を持つため、お世辞や大げさな表現は信じてもらえない場合があります。

親が肩の力を抜いて接することが大事

子どもが不登校になると親も相当つらいです。
HSCは家族の感情の変化などをよく察知していることがあります。
親の不安やストレスが子どもにとってプレッシャーになってしまうこともあるので、親自身が不安やストレスを募らせない工夫も大切です。
肩の力を抜いて、気持ちを大きく余裕を持つようにし、できるだけ笑顔で「大丈夫!」と過ごせれば一番効果的です。
そうはいってもとても難しいことではあります。
仕事中も集中できなかったり、眠れなかったりもするかもしれません。
少しずつでもいいので、子どものためにもゆったり構えて過ごすよう心がけましょう。

HSCが不登校になったときの家での過ごし方

休息する

とにかく家が落ち着ける環境であること、安全地帯であることが大事です。
家が乱雑であったり騒がしかったりすると、どこにも居場所がなくなってしまいます。
音や光の刺激を減らした、落ち着ける部屋を用意したり、本人が安心できるぬいぐるみや本、毛布などを用意してあげましょう。
我が家では明かりをほぼすべて暖色にし、クマのぬいぐるみが好きだったので一緒に少しずつ集めました。
学校に行けているのであれば、学校から帰ったら「何もしない」時間を作ることでエネルギーの回復になります。
疲労を翌日に持ち越さないよう、十分な睡眠を確保してあげることも大切です。

うちのHSCは不登校だったのもあり、毎日睡眠時間の確保はできていました。
起きているだけでいろいろな考えがめぐり、頭の中が忙しいので、すごくよく寝ます。
この回復する時間がとても大事です。
HSCは充電期間を経て安心感を得られると、自ら少しずつ挑戦し始める強さを持っています。
まずは「家で安心してダラダラ過ごす」ことを優先してあげてください。

ルーティンを固定する

HSCにとって予測不能な出来事は、不安のもととなります。
情報を深く処理するため、急な変化があると脳がパニック状態になり、正常な判断や対応が難しくなってしまうことがあります。
そして、計画通りに物事が進むことに安心化を覚えるため、予定が狂うと大きな心理的不安を感じます。
身体的な影響としても現れるときがあり、頭痛やめまい、動機、夜にその場面を繰り返し思い出して眠れなくなる場合もあります。
それらを防ぐため、ルーティンを固定化し、食事や就寝の時間をできるだけ一定にすると、心が安定してきます。
突然の予定変更は心の準備ができないため、避けるか事前に伝えるようにしましょう。

家の中で役割をもつ

HSCが家の中で役割を持つことは、自己肯定感の向上、安心感の醸成、そして「繊細さ」という特性を強みに変えるうえで非常に有効です。
おすすめの役割を紹介します。

  • 植物への水やりやペットの世話
    「植物が乾いている」とか、「ペットの様子が違う」など、些細な変化に気づく力を活かせます。
  • 夕食の簡単な盛り付けや配膳
    HSCは美意識が高く、丁寧な作業ができる子が多いので向いています。
  • 洗濯物を畳んで種類別に分ける
    几帳面で整理整頓が得意な場合、この作業に集中することで安心感を得られるでしょう。

HSCに役割を持たせると、責任感が強いあまり役割に責任を感じてしまうこともあります。
「責任感」よりも「自由度」を持たせるようにしましょう。
強制するのではなく、「あなたがやってくれると嬉しいな」と伝え、やらない日があっても責めないことです。

また、細かい手順を口出ししないようにしましょう。
自分なりの丁寧なやり方を持っているので、プロセスだけを尊重してあげます。
家の中の役割は、「手伝い」ではなく「その子が得意なことで貢献できる場」と捉えると、居場所ができ肯定感も高まってきます。

好きなことをして自信をつける

「1」行動するのがこわいときは、「0.1」やってみるで全然いいです。
HSCの小さな一歩は大きな一歩です。
少しずつ成功体験を積み、自信が生まれると挑戦が楽しくなります。
学校という環境が子どもにとってネガティブでなくなれば、登校にもチャレンジしようという気持ちが芽生えることもあります。

お子さんの好きなことをまず見つけてあげてください。
いろんなことを一緒にやってみたり、いろんなところに連れて行ってみるのもいいでしょう。
縄跳び、ピアノ、歌、スポーツ、アイドルの追っかけでもOK。
好きなことを見つけ、さらに得意になっていったり詳しくなったりすると、とてつもない自信につながります。

勉強する

不登校であれば成績は心配になるところです。
ですが、何よりも優先すべきことは「エネルギーを回復すること」ですので、まずは休息が先です。
親の焦りは子どもに伝わり、安心感を奪います。
エネルギー不足のまま勉強を強要すると逆効果ですので、最初のうちは「勉強しなきゃ」を手放してください。

エネルギーが回復してきたら少しずつ勉強していきましょう。
HSCの特性に合った勉強の進め方として、「すらら」「スタディサプリ」など自分のペースで学べるオンライン教材があります。
また、フリースクールや家庭教師など、低刺激な環境を選んであげることも得策です。
うちのHSCは、学校の教科書だけでは不十分だと思ったので、教材を定期購入し、一緒にやっていました。
小4から中3までの期間だったのでなかなか高額でしたし、量も多く大変でしたが、絶対にやってよかったと思っています。
小学生のときはフリースクールにも通っていましたし、塾に通わせたこともあります。

HSCは自分でも勉強しなければいけないことをわかっており、焦っている場合が多いです。
その気持ちも考慮しつつ、頑張りすぎに注意して「焦らなくても大丈夫だよ」と声掛けしていきましょう。
HSCは持ち前の特性から頑張り屋さんなので、もともと勉強ができる子が多いのではないかと思います。
少し道を示してあげるだけで自分から進んで勉強するようになると思いますので、親も焦らずじっくり寄り添うことがベストです。

勉強していない期間があると焦ってくると思いますが、全然問題ないです。
そのときは親子ともども将来が不安になったりしますが、しっかりした気質を持っているので数年勉強しなくてもバイトも就職も全く問題なくできます。
ただ、放置は禁物ですし寄り添いと環境は大事ですので、そこだけ気を付けましょう。

HSCの不登校に関するまとめ

HSCの子どもをもつ親御さんの中には、「私の育て方が悪いのかも・・・」と自分を責めてしまう人もいます。
しかし、HSCはもって生まれた気質です。
自分を責めすぎないようにしましょう。

そして、まわりの人たちから余計なことを言われても、毅然とした態度で自分の子と向き合うことだけを心がけてください。
「もっと怒ったら?」
「甘えてるだけわがままなだけでしょ」
何も知らず、こういった言葉を投げかけてくる方がいます。
気にしないようにしましょう。
気にすると顔に出ますし、それを子どもが察知し、自分のせいだと思い込み、ますます良くない方向に流れていくかもしれません。
言われたことを実行したほうがいいのか、でもそれは逆効果なこともわかっていたりして、親の中でも葛藤があり、どう行動するにも簡単ではないです。

HSCの親に与えられた、親自身も成長するための試練です。
たくさん悩みますしすごく辛いですしいっぱい泣くことになるかもしれません。
私もそうでしたが、今は不登校になったからこそわかったことがたくさんあり、その気づきは私の宝物です。
叱ったり無理やり学校に連れて行こうとしたり、逆効果なこともたくさんしてきました。
しかしそんなことをしても、HSCにとっては「消えたい」と思うほかありません。
うちのHSCのように、毎日頭痛に悩み、「これが普通でみんな頭痛で苦しいんだ」と普通のことに気付けないくらい、頑張りすぎる子どももいます。
学校に行きたくないとか、頭痛や消えたいという悩みを打ち明けられてから、カウンセリングや病院に行きました。
もっと早く気付いたり、もっと早く病院等に行っていたらと思いますが、親である私自身がそのような経験がないので当時はあまり深く考えていなかったのです。
親子で悩みまくってたくさん話をしていくと、お互いの理解が深まり、その先に「どうしてあげるのが一番いいのか」答えがあります。

最初は「まさかうちの子が不登校になるなんて・・・」「どうしたらいいのかわからない・・・」
と悲観的になってしまうと思います。
無理やり連れて行ったり叱ったり、逆効果なことはおそらくここを読む前にやってしまった方が多いかと思います。
でも大丈夫です。
これからたくさん話を聞いて、どう思って何を考えているか少しずつ理解してあげてください。
話を聞いてくれるとか、親がわかってくれそうとか、それが積み重なっていけば少しずつ安心し、もっとわかってほしいといっぱい話しかけてくるようになります。

もちろん共感できない部分も出てくるはずです。同じ人間ではないので。
それでも理解してあげることは絶対にできます。
否定せず、根気強く少しずつでいいので解ってあげることが大事です。
本人が本気で「消えたい」と思う前にどうか話を聞いてあげてください。
そしてきちんとその言ってくれたことを理解し、落とし込むことです。
「子ども本人が消えたいと思うこと」と、「親として学校に行ってほしいと思うこと」を天秤にかけたとき、どちらをとったほうがいいのか火を見るより明らかかと思います。
子どもがいなくってしまうことよりも学校に行かせたい方をとるのは、完全に親のエゴでしかないです。
でもみんな最初はそれに気づきません。
だから話を聞いて、理解し、親自身考え悩み、気づき、最善の道はどうすることなのかを決めなければいけません。

私自身、全然いい親ではなかったので反省していることばかりですし、今でも「あの時こうしてたら」と思うことはたくさんあります。
もっとしっかり子どもだけに全力ですべてを注いであげていたらと、これからもずっと考えると思います。
向き合っているつもりでいると簡単に解られますし、言葉や行動でガンガン親の気持ちをへし折ってきます。
でも気持ちを言ってくれてるだけいいんです。
解ってくれないと悟って言わなくなることが一番こわいことだと思います。

子どもの前で泣いてしまっても大丈夫です。
でもなぜ泣いてしまっているのかを教えてあげないと、「自分のせいだ」と思わせてしまうので、きちんと伝えてあげてください。
「つらいのに今までわかってあげられなくてごめんね」
こう伝えるだけでも、子どもは自責の念から解き放たれ、「わかってくれるかも」と希望を持ち始めます。
それでもきっとHSCは「自分のせいでつらい思いをさせている」と受け取ってしまうのでしょうけども・・・。

試行錯誤しながら、葛藤もしながら、親自分も成長していく気持ちで子どもと向き合ってほしいなと思います。
「対・人」であり、「対・自分の大切な子ども」なので、本当に難題です。
共感もできればいいですが理解することが大事で、落とし込むのは自動的にその先にくっついてくるはずです。
時間はかかりますが、「あなたのことが一番大切だよ」ということを、表情や言動、行動で示していくことがなによりも重要で、それが安心感につながり、不登校改善に対しても効果的で近道だと思います。

まとめが自分の経験と思いでいっぱいになってしまいましたが、
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
優しい天使のHSCとその親御さんたちに、どうか明るい未来が見えますように。